佐伯ウラオモテアクト

SAIKI URA OMOTE ACT

action3つのアクション

知る

海でいま起こっていること
私たちができること

① 藻場の消失

海藻がたくさん生えている場所を“藻場”と言います。藻場には小魚や貝類、伊勢海老などが暮らしていて、藻場が無くなるとそれらの魚介類は住む場所を失います。海藻が無くなることを“磯焼け” と言い、磯焼けが起きた海域では、まるで砂漠のような状態となりそこに暮らす小魚や貝類は姿を消してしまいます。佐伯市でも磯焼けはおきていて、蒲江名護屋地域では30年以上前に藻場の保全活動をスタートし、全国でも注目されています。佐伯市は海に面しており、各地に藻場が存在していますが磯焼けが進んでいる海域もあれば、そこまで深刻な状態にはない海域もあり、「磯焼け」と一言でくくれない各浦々の海事情が存在しています。

② 漁獲量の減少

1980年代をピークに海水温の上昇、黒潮の大蛇行や魚種転換など様々な要素が複雑に絡み合った海洋環境の変化によって全国的に減少を続ける漁獲量。私たちの暮らす佐伯の海でも「伊勢海老の漁獲が少なくなった」「イワシが取れない」「巻き網船団が廃業した」など、魚の獲れる量が減少したことにより人々の生活や生業への影響が生じています。

資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」
注:漁業・養殖業生産量の内訳である「遠洋漁業」、「沖合漁業」及び「沿岸漁業」は、平成19(2007)年から漁船のトン数階層別の漁獲量の調査を実施しないこととしたため、平成19(2007)~22(2010)年までの数値は推計値であり、平成23(2011)年以降の調査については「遠洋漁業」、「沖合漁業」及び「沿岸漁業」に属する漁業種類ごとの漁獲量を積み上げたものである。

(参考リンク)水産庁Webサイト 第1節 我が国水産業の変遷 (1)漁業生産の状況の変化より

③ 食べられてこなかった魚を食べる

アイゴは、海藻を主に食べる魚で、ヒレに毒があり、釣り人や漁師から嫌われている魚と言われていますが、上手に処理することで美味しく食べることのできる魚です。佐伯では食べる習慣のない魚ですが、佐伯の方でも通な人はわざわざアイゴを釣るために釣りにでかけると聞きます。ある地方には「アイゴの皿ねぶり」(お皿を舐めたくなるほどアイゴが美味しいという意味)という言葉があるほど、アイゴは美味しいお魚でもあり、佐伯アイゴウィークで給食や飲食店で実際にアイゴ(アイゴをフライにした“アイボー”)を食べた方たちからは、「おいしい!」「また食べたい!」と、その味わいに驚きを隠せない様子でした。海のいまを知り、食べられてこなかった魚にも注目してみましょう。

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食べる

アイゴのフライ「アイボー」

白身魚のアイゴをフライにした「アイボー」。アイボーとは、アイゴに衣をつけフライにしたもの。アイゴの切り身の形状が棒状になっていることからアイゴの棒状フライ、略してアイボーと名付けました。お酒のお供にアイボー、ごはんのお供にアイボー、カボスと一緒にアイボー、塩コショウとアイボー。アイボーは様々な組み合わせが楽しめるエンターテインメントなフライです。サバやフグに似た味わいで皮目もフライにすることでパリッと美味しく食べることができます。

アイボー5か条

  • 1磯焼けの原因のひとつといわれる「アイゴ」を使うべし
  • 2衣はパン粉や米粉などアイゴに合う最高の相棒を探すべし
  • 3“オリジナルたれ”を考案し、“らしさ”を演出すべし
  • 4大分県民の血液とも言われるカボスを添えるべし
  • 5愛を込めてアイゴを調理し、佐伯の海・浦への思いを語るべし

アイボーのレシピ

  • 1小麦粉とお水とお酒を合わせたバッター液を作る
    ※卵アレルギー対応を兼ねてバッター液の卵は不使用にしています。
  • 2アイゴの切り身をバッター液に浸す
  • 3パン粉をつけ、きつね色になるまで2分程揚げる
  • 4揚がったアイボーにタルタルソースや塩コショウ、塩などお好みの調味料を添える
    カボスなどご当地の柑橘類があればぜひお試しを!

地域連携|佐伯アイゴウィーク協力店舗

2023年10月10日〜23日まで、佐伯市内を中心とするさまざまな飲食店やスーパーなどでアイボーを使ったオリジナルメニューの提供が行われました。ここでは協力してくださった店舗をご紹介します。

参加する

子どもも大人も、
参加できる機会をつくる

① 子ども向け海洋体験イベント

小学生を対象に子ども向け海洋体験イベントを実施しました。このイベントでは大きく“藻場(もば)ってなに?”、“アイゴってなに?”という2つのテーマから発見や体験を通して佐伯の海や環境の課題について学ぶことを目的に、藻場を見学し、アイゴを食べながら自然と磯焼けや食害、海水温上昇といった環境課題への学びが深まるプログラムを展開しました。佐伯にある浦々の豊かさが当たり前でないことに気づき、若い世代が"自分ゴト"として海に対するアクションを日常の中で意識するきっかけになればと思います。

② 小中学校での給食連携

佐伯市内の小中学生約300名へ、アイゴを使用したフライ「アイボー」の給食提供と、事前学習としてアイゴや藻場、磯焼けについて学ぶ出前授業をしました。出前授業では、アイゴや磯焼けのことを写真を用いて説明したのち、実際のアイゴを生徒の前で捌き、身や内臓の色、匂いなど実体験としてアイゴの事を学んでもらいました。給食提供の際には佐伯の海について学んでもらうべく、校内放送やランチョンマットなどを使用し、「美味しい」から佐伯ウラオモテアクトや海のごちそうプロジェクトの意義・目的、アイゴを食べる背景について学んでもらいました。

③ 海のごちそうフェスティバル

佐伯ウラオモテアクトとして、二子玉川ライズ(東京)にて行われた海のごちそうフェスティバルに参加し、アイゴのフライ「アイボー」を販売しました。市場に出回る事が少なく知らない人が多かったり、知っていても“臭い”、“毒がある”、“釣りの外道”として食べる機会がなかったアイゴを美味しく食べてもらうことで、海で進行している環境悪化や私達の活動を知ってもらう機会になりました。また、海や浦が身近でない人たちにも“美味しい”から海の事を“自分ごと”として捉えてもらい、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げるきっかけになったと思っています。

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